【個別療育】と【集団療育】を上手に選ぶためのポイント(体験談)

療育について
この記事を書いた人
ノイママ

発達グレー疑いの一児の母で、私自身HSPです。
児童発達支援士/発達障害コミュニケーションサポーターの資格所持。

「発達に悩むママパパさんを応援したい」想いのもと、発達や育児についてのいろいろを発信して行きたいと思っております。

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この記事では、個別療育と集団療育の基本的な情報と、どのように選んだらいいかをお伝えしたいと思います。

※療育を受ける前(0歳〜)や療育を受けてからの発達具合(2歳〜)を詳しく知りたい方はこちら


お子さんに療育を受けさせようと思っている方は、

お悩みママさん
お悩みママさん

『個別療育』と『集団療育』どっちを受けさせるのがうちの子に合ってるのかな?

と悩まれている方もいらっしゃると思います。


ちなみにうちの娘は「個別」「集団」のどちらも通っていますので、2歳半から約2年半通い続けてわかった個別と集団のそれぞれのメリットやデメリットも含めて体験談から療育の選び方についてお伝えできればいいなと思います。


ノイママ
ノイママ

どちらの方が優れているとかそういう事ではありませんので、その点はご了承ください


療育の基本的な情報や選び方、親目線のメリットなどを知りたい方はこちらからどうぞ↓


個別療育と集団療育の選び方

『個別療育』と『集団療育』の違いとは?

個別療育と集団療育はその名の通り、療育を受ける側の子供の数がまず違います。

ノイママ
ノイママ

個別でできるプログラムと集団でできるプログラムは被っているものもありますが、事業所さんによって全く別の内容で課題を設定しているところも多いかと思います。


個別療育とは

個別療育では、お子さまと指導員がマンツーマンでプログラムを実施します。
お子さまの課題や身につけたいスキルなど一人ひとり合わせた細かな支援を、お子さまのペースに沿って進めることができます。

引用:ハッピーテラス から

個別療育のメリット
  • 子供の発達状況に合わせて課題を細かく組んでもらえる
  • 特性状況を把握し、苦手なことに対してより配慮をしてもらえる
    (音源の音量調節、個別に見通し表を作る、粗大運動の補助は多め など)
  • 保護者の要請によって、「通常より5分早めに終わらせてほしい」「フィードバックの時間を長めに取り先生と多めに話をしたい」などの時間に関わる要望が通りやすい
  • 他の保護者とのしがらみが無く気楽

個別療育のいいところはなんといっても自分と子供しかいないので、課題内容・時間帯共に融通が聞くところだと思います。


うちの娘の場合無発語状態から療育に入りましたが、初めて聞く英語の歌カードの音源が苦手だったらしく毎回泣いていたので慣れるまでは、

  • 音源の音量を小さくする
  • 音源をやめて先生に歌ってもらう
  • 絵カードだけ見せてもらい「これは何をしてるところかな?」などと問いかけ形式にしてもらう

など娘に合わせて課題設定の工夫をしてもらっていました。

ただ支援計画に含まれている課題は決まっており、「娘にとって必要な支援課題」の認識だった為歌カードを完全に無くすといったことはしませんでした。


結果的にそのおかげで嫌な課題がある時の対処法をお家や療育両方で考えられ身につけることができました。↓

  • 嫌な課題の時は先生に「これ苦手だな」と伝える
  • 嫌いな音の時は耳を塞ぐ

など。

個別療育は子供に合わせて課題設定をできるのももちろんですが、集中して課題に向き合う事ができるのでその子にとっての苦手や得意、対処法を見つけやすいことも大きなメリットかなと思います!


個別療育のデメリット
  • 集団で行う課題がないため、同年代のお子さんとの発達比較がしづらい
  • SSTカードなどで社会性に関する課題をインプットすることは可能だがアウトプットができない為、コミュニケーションを養う機会が少ない
  • 先生ではなく同年代の子供の真似をして課題に取り組む機会が少ない(着席していない時に先生に言われなくても皆が座っているから座ろうとする など)

デメリットとしては、相手が先生(大人)しかいないので上手に対応してくれる相手としかコミュニケーションを取る機会がないことが1番かなと思います。


幼稚園や小学校などではもちろん集団生活になりますので、子供同士のコミュニケーションがかなり多くなってくるかと思います。

ただ個別で先生とのコミュニケーションしか取ってない場合、子供同士で勝敗のあるゲームなどをして負けてしまった時にうまく勝敗受容が出来ず癇癪してしまったり、お互いがお互いの話をしたくて上手く聞き手に回ることが出来ず一方的に話し続けてしまうなど、そのせいでお友達と上手く遊べな買ったり避けられてしまうといった事が起きるかもしれません。

また、友達の真似をして自分の行動を見直すといった機会も少ないため、何か好ましくないことをした場合に先生からの注意で直す事が多くなり、「自発的に気づく」といった機会が少ないこともあります。



ノイママ
ノイママ

メリットデメリットについてはあくまで私の個人的な意見です。
個別でも先生に「勝敗受容をさせたいので忖度なしで課題を設定してください」などと相談すればそのように考えてくださる場合もあるかもしれません(お子さんの様子に合わせて)




集団療育とは

集団療育では、ほかのお子さまと一緒にグループになってプログラムを実施します。
集団行動の中で、社会性やコミュニケーションスキルを育んだり、集団生活に必要な社会のルールを身につけたりすることができます。

引用:ハッピーテラス から


集団療育のメリット
  • 同年代の子供と関わりながら課題を行うので、社会性を育むための課題の割合が多い
  • 大人(先生)だけでは無く子供同士のコミュニケーション力を養える
  • 周りの子供の様子を見て行動するなどの察して動く力が養える
    (友達が座っているから座ろう など)
  • ゲーム性がある課題も多いため勝敗需要の練習ができる
  • 気が合う保護者同士の場合情報交換ができる

集団療育のメリットは、やはり配慮を受けながら集団生活の練習ができるところが1番大きいと思います!

例えば、子供同士で行う勝ち負けがあるゲーム課題などは、もちろん子供同士本気で勝ちに行きますのできっちり勝敗が分かれます。

その際に勝敗受容が出来ずに癇癪してしまったり泣いてしまったり放棄してしまったりといったこともあるとは思いますが、そんな時は先生方が上手く間に入ってくださり、

「みんな勝ったり負けたりするからね」

「勝つ人が偉くて負けた人がだめなんじゃないからね」

「最後まで皆で楽しく出来たら花丸だよ」

「先生でも失敗することあるから皆失敗したって全然大丈夫だよ」


などの声がけをしながら少しづつ勝敗受容ができるように気持ちを整えてくださったり、逆に勝って喜んでいる子には、

「勝つのはとっても嬉しいことだよね。だけど、負けて泣いてる子に「大丈夫だよ、また遊ぼうね」って言えたらもっと素敵だと思うな!」

などと負けた子に対する言葉のかけ方なども教えてくれます。

「負けて悔しい!」や「勝てて嬉しい!」という気持ちは対先生よりもやはり子供同士の方が強く出る部分かなと思っています。

そんな感情を引き出しながら、集団で行動する時の気持ちの対処法や周りへの配慮の方法なども集団療育の方がより知る機会が多いかな〜と思います。

あと預かり方ではなく母子同行の集団療育の場合、気が合う保護者さんがいると色々な療育中に色々と情報交換ができたりもします。


集団療育のデメリット
  • 一人の子供の特性に全て合わせる事ができないため「音源の音量の調整」「苦手な課題は少なくする」といった配慮ができない場合もある
  • 自分の子供が周りに比べて課題に取り組めていない場合に親や子供自身が周りと比較し落ち込む場合がある
  • 子供同士・保護者間のトラブルがあると事業所自体通いづらくなってしまう場合がある

集団のデメリットは良くも悪くも「周りに合わせないといけない場面が多い」ですかね。

個別療育のメリットで前述した「音源の調整」についてを例に挙げると、集団療育でも同じ絵カード・音源が使われて課題が行われたのですが、それに関しては個別のように音源の調整や先生が代わりに歌うなどはできずに皆に合わせた音量で絵カードを見ていく流れで行っていきました。

その度に娘は、

ノイママ
ノイママ

音やだ!消して!!

と言いながら補助の先生に泣きついていました。

その時補助の先生は、

「娘ちゃん、音が嫌な時は耳を塞げば小さくなるよ。自分でできるように練習してみよう?」

といって耳塞ぎの練習をしてくださったり、「お歌を聴きたいお友達もいるから消したりできないけど、先生のお膝の上で聞いたら少し平気かもよ?」といって膝の上に乗せて安心させてくれるなどの配慮をしてくださいました。

しばらくはそんな調子で泣いていた娘ですがあるときからぱったりその課題が平気になったので、結局聴覚過敏だったのか、単に嫌な何かを想起させたのか、娘自身が成長して気にならなくなったのか、などは謎に包まれたままです。

こんな感じで、自分の苦手なことでも周りに合わせて少しチャレンジさせられる傾向があるかもしれません。


ノイママ
ノイママ

感覚過敏などの特性が確定しており、その課題が本当に無理で部屋に入れない、などの場合は相談すればより配慮はしてくださるかと思います。


あとは子供同士のトラブルなどがあった場合通いづらくなることもあるかもしれません。

私は以前集団療育で娘が他のお子さんに他害されてしまった事があり、結局私がその時間帯の集団療育を辞め別の集団療育の枠に入ったという経験があります。

他害については児童発達支援という場所で起こった事ですしお互い様な面もありそこまで重く受け止めたわけではないのですが、

ノイママ
ノイママ

親御さんの対応がちょっと疑問に残り・・・・


お子さんの他害を見ていたにも関わらず特に気にする様子も無く、一言謝りもなく・・・。

ひと回り小さいうちの娘が自分のお子さんに壁にギューっと押し付けられて泣いてるのを見て何も見てないような感じの振る舞いをされました。そんな事が何度かありました。

もちろん先生方はその度に謝ってくださいましたが、その親御さんの対応にはどうしてもクエスチョンマークが消えず、集団療育に行くたびに「なんでこの人あんなことしたんだろう??なんで??理解できない・・・」とモヤモヤした気持ちが渦巻くようになり私自身が療育に集中できなくなってしまいました。

これは私の気持ちの平穏、ひいては娘への接し方にも悪影響が出そう・・・と思い先生に相談させていただいた上で集団療育の枠をお引越しすることになりました。


このように、集団療育では何かしら子供同士のトラブルが発生する場合があります。

私はこの方を反面教師にさせていただき、もしうちの娘が故意無く(ぶつかったりして)相手を泣かせたり傷つけてしまった場合は、

「悪気が無くても、相手が泣いたり『痛い』っていったらまず『ごめんね』って言おうね」と伝えて謝罪をさせ、私もきちんと謝罪をするようにしています。

療育に来ている親御さん達は皆さん発達障害について理解があったり鬼のように勉強されている方が多いので基本的にはトラブルになる事は少ないですが、集団で何か起きた際はきちんと親子で対応するといいかと思います。

ノイママ
ノイママ

でも2年半通って親御さんとのトラブルは一回だけなので、デメリットとしてそこまで気にしなくてもいいかもしれないです!


個別と集団は結局どちらを選べばいいのか?

お悩みママさん
お悩みママさん

それぞれのメリットデメリットはわかったけど、結局どっちを通わせたらいいのかな〜


重要なのは子供の特性や状態に合っているかどうかだけど・・・

児童発達支援所に通うお子さんって小さいと1歳とかから通われている子もいらっしゃいます。

そんな小さい時期に子供の特性や状態を把握するのって結構難しいとは思うのですが、私が思うにやはり初めは『子供にとってストレス無く楽しく通えそうなのはどっちか?』と考えるのがいいような気がします。

ノイママ
ノイママ

子供の特性や状態を知る前に「行きたくない」場所になってしまっては勿体無いですからね・・


おすすめは、個別で慣らしてから集団も利用する

完全に個人的な意見にはなりますが、初めて療育を受けさせるお子さんであれば初めの1〜3ヶ月は個別、慣れてきてから小集団(集団)がいいのかなぁと思います。

というかうちもそんな感じで支援計画を組んでいただいてました。
(2歳4ヶ月頃から個別療育→2歳半頃から個別+集団)

うちの娘は割と場所見知りが無く、初めて行く療育でも「ここはおもちゃがある」とわかると部屋に入ることにもなんの抵抗も無かったので2ヶ月目で集団を利用させていただくことにしました。(多分あんまり深く考えてない)

ただ、新しい場所への不安感が強かったり母子分離に強い抵抗を示すような場合は個別療育の期間を長めに取ってみてもいいかもしれません。


個別と集団を両方利用する際のイメージ

個別と集団どちらも利用することが出来れば、前述で挙げたそれぞれのメリットを補い合う事ができます。

なので個別で配慮を受けながら下地を作り、集団で対応できるかどうかを観察して、困りごとが起きたときはフィードバックや相談で対応しながら個別と集団を繰り返して出来ることを増やしていくイメージです。


ノイママ
ノイママ

下記のような流れを意識して療育に臨んでおります


個別

  1. まず楽しい場所&安心できる場所だと認識してもらう
  2. 子供自身の特性や得意・苦手を把握する
  3. 自分に合った課題で支援の5領域を少しずつ伸ばす&事業所や先生に慣れる

5領域とは、児童発達支援と放課後等デイサービスの運用ガイドラインで定められている指導領域のことで「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」を指します。2024年の法改正によりこれら5つの領域を網羅した支援をおこなうことが求められるようになりました。
個別療育と集団療育のいずれの場合にも、5領域にまんべんなく取り組む必要がありますが、支援スタイルの違いによってそれぞれ効果が出やすい領域があります。

引用:ハッピーテラス から


集団

  1. 一人用の課題に慣れたら集団での課題にもチャレンジ
  2. 集団の中でどのような特性・得意・不得意が出るかを観察する(親が)
  3. 同年代の子の中で自分の子供の能力の立ち位置を確認する
  4. 集団生活の中で困りごと(勝敗受容ができない・友達と比べてしまい課題を放棄する・友達に攻撃的になってしまう など)に直面した際への対応方法を考え実行する


ノイママ
ノイママ

「同年代の子の中で自分の子供の能力の立ち位置を確認する」については、他人と比較してどうこう考えるというわけではなく他の子の大多数ができてそうな課題を見つけ、「これを出来るようになったら困りごと減るかもね〜」という指標と確認の為だけに行います


という感じのことを意識しながら、療育中は娘の様子を観察していました。

個別療育の時は出来るのに集団療育では集中してできない課題があったり、逆に個別療育では人の目を気にしなくていいが故に着席が疎かになったりふざけてしまう部分が集団では出なかったりと、それぞれに違った面を見ることができるのも両方使った場合の大きなメリットと考えます。


療育の親にとってのメリットにも同じようなことを詳しく書いております〜

個別と集団どちらか選ばなければいけないとしたら?

お悩みママさん
お悩みママさん

そうは言っても、受給者証の上限には限りがあるし・・・

そりゃあ個別も集団もどっちも使えれば1番いいけど条件的に中々難しい場合もありますよね。

もしどちらか選ばないといけない状態になった時は、「お子さんの発達状態」「苦手なこと」「今後伸ばしたい部分」を考えながら選ぶといいと思います。


それについては、ハッピーテラスさんの『個別療育と集団療育どっちがいい?選ぶポイント』に支援の5領域や困りごとの例+どの領域を伸ばせばいいか などもわかりやすく載っているので参考になると思います!


ノイママ
ノイママ

結局はやっぱり子供の特性に合わせて選ぶことにはなると思うんですが、初めての療育の場合はやっぱり個別から始めるのをおすすめしたいです。慣らしの為に。


まとめ

というわけで、今回は「個別療育と集団療育の選び方」について書かせていただきました。

まとめると、

  • まず個別と集団のメリット・デメリットを確認する
  • 発達状態・特性・得意・苦手+『支援の5領域のどの部分を伸ばしたいか』を加味して決める
  • 個人的には個別で慣らしてから集団もプラスして出来ることを増やす(困りごとを減らす)のがオススメ

です。

今回の記事についても個人的意見が多いのですが、療育の第一歩は子供が「施設に慣れる・楽しくて安心できる場所だと認識する」だと思います。

安心できる場所じゃないと課題どころじゃないですからね。

なのでそんな場所だよと子供にわかってもらう為にも、無理強いはせずにスモールステップで支援計画を立て、職員さん達とも日々の成長状態や悩み事を共有できるように親側からも働きかけていければいいのかなと思います。


今回は個別療育と集団療育についての記事を読んでいただきありがとうございます!
今後も療育について色々書いていこうと思っておりますので他の記事も読んでいただけると嬉しいです!



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