【2歳半無発語】から【4歳で会話】ができるようになるまで(無発語〜一語文まで)後編

こんな時どうした?

前回の前編に引き続き今回は、無発語から一語文が出始めた2歳6ヶ月頃までに私がしていたこと(後編)をまとめていきますので、気になる方は是非下の項目もご覧いただけたらと思います。

※発達には個人差がありますので、下記のことをすれば必ず誰でも発語するといったものではありませんのでご参考程度にお願いいたします。

この記事の目次

 指差しと発語の関係

  • 指差しの種類
  • 娘の応答の指差しはどんな風にでた?
  • 指差しを教える場所はお風呂場がいいかも!

 発語が増えたきっかけ

  • 言葉とは一見関係なさそうだけど・・

 家族に協力要請する

 まとめ

 





指差しと発語の関係

外を歩くと赤ちゃんや小さい子供がよく指差しをして、「あ!」とか「う!」とか言っているのをよく目にしますよね。

小さい子がやっている姿はとても可愛く微笑ましいのですが、うちの娘は指差しも遅く2歳4ヶ月頃に陳述の指差しをようやく行う程度でした。(2歳〜3歳の発達歴にて)

まだ危機感の薄かった1歳半検診の時期に、保健師さんや保育士さんなどによく「娘ちゃん指差ししますか?」とよく聞かれることがありました。

その頃は「指差しって発達でそんなに大事なの?」と思う程度で、特に重要視していなかったのですが、

指差しは発語にとっても超重要でした


指差しの種類

まず、子供の発達段階で指差しはどれくらいの時期に出てくるのか確認してみます。

  1. 叙述の指さし(12ヶ月ごろ)→子供自身が見つけたものなどを周りの人に共有したい気持ちから生まれる指差し。共感の指差しとも言われます。「あ!」など発声付きせ知らせてくれることが多いようです。
  2. 要求の指さし(1歳2ヶ月ごろ)自分の欲しいものや行きたい場所(方向)など、要求を伝えるために使う指差しです。
  3. 応答の指さし(1歳6ヶ月ごろ→親や周囲の人から質問されたものに答える形で行う指差しです。自分と相手とのコミュニケーションが成立すると出てくる行動で、指差し行動の完成形となります。

EX:「(絵本を見て)ゾウさんどれ?」「ママのお口どこ?」などに指差しで答えるもの。

参考:LITALICOジュニア「お役立ちコラム」より

上記のように、指差しには「陳述」「要求」「応答」と段階を踏んで発達して行きます。

ちなみにうちの娘は「陳述」が出たのが2歳4ヶ月で、その後「要求」が無いまま2歳7ヶ月に「応答」ができるようになりました。

全体的な指差しの段階も遅れていましたし、物や人に興味がなかったため要求行動も少ないのが指差しの出にくさにも表れていたかなと思います。





さて、発語と指差しの関係についてですが、指差しは「言語が出る前のコミュニケーション」として使われることが多いようです。

「あ!飛行機を見つけた!ママにも教えてあげたい!」→陳述

「あのピカピカ光るおもちゃで遊びたいけど高い場所にあって取れない・・・」→要求

「いぬ?知ってるよ、それってこのわんわん鳴くふわふわした動物のことだよね?」→応答

上記のように、子供は他人とコミュニケーションをとりたいけどうまく言葉に出せない代わりに指差しが発生し、「自分」「他者」「対象物」を含めた3つの関係が子供と他者(母親や父親)との間で成り立ってきます。

その中で指差しを使うことにより他者が自分と同じものを見てくれたり、欲しいものを持ってきてくれたり、質問と応答でコミュニケーションの成立などを感じることで、指差しの便利さや「自分の気持ちが伝わった!」ことに対する喜びを感じるなどし、「伝えること」に対して意欲が湧きます。

そして「指差しよりも『ことば』はもっと便利だ!」と気がついていき、発語への意識が向いていくのだそうです。


子供「周りに伝えたい気持ちがある」

→「ことばが出ないから指差しを使う」
「伝わった!!嬉しい!」
「指差しって便利だな」
「でもママ達が使っている『ことば』ってもっと便利そうじゃない?」
→「『ことば』も使ってみようかな?」

→→→発語

こうやって見てみると、改めて指差しの重要性が分かりますね!!めちゃくちゃ重要!!




娘の応答の指差しはどんな風にでた?

娘が応答の指差しをしたのは2歳7ヶ月と遅めでした。

それはお風呂場での出来事でした。

もうすっかりこどもちゃれんじに足を向けて寝られないほどお世話になった私ですが、この「ことばはっけんポスター」で娘の応答の指差しを確認することができました!!

我が家では娘の発達に合わせて、4歳すぎまで一つ下の学年のこどもちゃれんじを受講していました。

ことばはっけんポスターは、1、2歳対象の「こどもちゃれんじぷち」についてきた付録です。
指差しも共同注視も発語もほぼ無かった時期から1ヶ月くらいずっとお風呂場に貼っていて、

私「黄色いの〜は〜バナナだよ〜♪赤い果物はりんごだよ〜♪ぶどうはコロコロかわいいね〜♪娘ちゃんは〜何が好き〜?」

娘「(・・・)無言」

私「緑色は〜ピーマンだ〜♪スイカとブロッコリーも緑だよ〜♪ピンクの桃はお尻みたいでかわいいね〜♪」

娘「(・・・)無言」

と、無視されながらも指差ししながら毎日歌ったり教えたりしていたのですが、さすがに毎日無反応なのが嫌になりある日歌わずにいきなり、

私「(もう嫌じゃ)はぁ〜〜いこれな〜んだ?(どうせ応えてくれないだろうなと思いながらバナナを指差す)」

と投げやりに指を指して質問をして見たところ、

娘「・・・・・・(バナナを指差す)」

私「!?!?!?!?!?!?!?」

私「えっ、はっ、なに、えと、バナナ!!??うん正解!!え!?はいあのすごいね!!??(混乱)」

私「・・・・(もしかして他のもわかる?)犬はどーれだ?」

娘「・・・・(犬を指差す)」

私「ええええええ!?!?!?なにはいそううん、犬です正解です!!えっちょっと待ってちょっと待ってわかってる?わかってらっしゃったんです!?えっ、ちょっと待って待って」

と、大混乱の私ですがその後もポスター内の名前当てクイズをランダムに行ったところ、連続で20問程度応答の指差しで答えを指すことができていたのです・・・!!

この子、自分なりに理解言語できてたんだ!!とそこで初めて娘の言語理解の表出を見ることができてめちゃくちゃ嬉しかったのを覚えています。




指差しを教える場所はお風呂場がいいかも!

でもなんでこんなに事物名称インプットできてたのに聞いても応えてくれなかったんだろう?とふと考えたのですが、場所やツールに問題があったのかもしれないと思いました。

今までは基本リビングで絵本や図鑑を読みながら「これはな〜んだ?」と娘に指差しを促していたのですが、それまでは一度も応答の指差しはありませんでした。

リビングは絵本のほかにもおもちゃがあったり、窓の外からの音や色々な刺激が多く娘には集中できない環境だったのかもしれません。

また、絵本や図鑑などはページがたくさんあるので自分の興味が無いページはさっさとめくってぽいっとしてしまい、そもそもページ内の何かを集中して見るという行為もできていませんでした。

だから「これはな〜んだ?」を注視することができず指差しに繋がらなかったのかなと思います。

逆にお風呂場では自分と娘しかいない狭いスペース内。

静かですし響くのは自分達の声のみ。
また、何もないお風呂の壁にポスターが貼ってあると、そのポスターにしか目が行かないので意識があちこちに行かず娘は事物名称の応答に集中できたんだと思います。


なので、指差しはもちろんのこと、指差し以外でも何か覚えさせたり共同注視を高めたい!という場合はお風呂場で情報を少なくした状態で行うのがオススメです!!

※指差しのインプットを高めた方法なども今後記事にしていこうと思います。









発語が増えたきっかけ

娘の初めての発語は2歳6ヶ月の「あお(青)」でした。

「やった〜!やっと意味のある言葉でた!!」と歓喜していたのですが、そこから発語数は伸びず・・・1ヶ月程発語が増えないまま経過した頃でした。

ある日預かり先の療育(B事業所)にて、「今日娘ちゃん1、2、3の形を指で作ることができるようになりました!」と報告を受けました。



「おおお!すごい!数字がわかるなんて理数系じゃない!!頑張ったね!!ちなみに娘ちゃんは2歳の2だからもう自己紹介もバッチリできるよ!!」

と褒めちぎっていたところ、娘が指で1、2、3をぎこちなく作りながら

「い、あー、さん、しゅ、ごー」

と言葉にしながらにこーっと笑ってくれたのです。

「おおおおおお!!!あれ?もしかして娘ちゃん、数字に興味出てきた?


娘は事業所で教わった数字を指で作れたことが嬉しかったのか、その出来事をきっかけにまず私が話す内容を前よりも少し集中して聞いてくれるようになりました。

他人に教えてもらったことが出来るようになってそれが嬉しかった(楽しかった)から、また何か教えてもらったら楽しいことが起こるかもしれない と彼女なりに思ったのでしょうか。

もしかしたらこれが「興味の幅が広がった状態」では!?と思い、療育先のA事業所、B事業所の職員さんにその旨を報告したところ、




「良かったですね!娘ちゃんは今まで要求が少なかったですから、コミュニケーションの必要性や利便性を理解してなかったのかもしれませんね。興味の幅が広がって「知りたい」「やってみたい」が増えたらどんどん発語への意識が高まっていくと思います!」

「職員の指の形を模倣しようと興味を持ち、実際に手を動かせたのは素晴らしいですね!!数字に興味がある状態であれば、着席や課題の取り組みにも使えそうです!また数字だけではなく数字から派生して「犬は1匹、ウサギが3匹」など動物に興味を持たせたり、「1は赤で、2は緑で色をぬろう!」など色彩に興味を持っていくこともできるのでこちらでも工夫してみます!」

と言っていただけました。


その後日SNSでも色々と「発達ゆっくりさんの発語きっかけ」を調べて見たところ、やはり何か新しいことが「できた」という経験や、「療育」「保育園入園」「幼稚園入園」などの生活の変化、母子分離の経験、親以外との触れ合いのような刺激や変化をきっかけに喃語や宇宙語や模倣が増えていった先に発語も増えた!という声をよく見かけました。

確かに親(というか私の場合ですが)は子供との触れ合い方が多少なりともルーティーン化していたり、「今はこれができるけどこれはできないから、やらせるのは早いかな?」など子供の発達具合を理解しているからこそ新しいチャレンジをセーブしたり調整してしまうことがよくありました。


だからこそ、療育の視点で今まで触れていなかったことに色々チャレンジさせて下さったおかげで娘は自分に対する新たな可能性に気づき、楽しいことをたくさん見つけて「できた!」の自信を持ちそれが発語につながっていったのかなと思います。

ただ、変化に戸惑うお子さんもいらっしゃると思うので、無理に母子分離させたり刺激を与えるというよりは、お子さんにとっての「親以外の安心できる場所」づくりと「いつもと違うこと」を毎日の中で少しづつ試してみるのを並行して無理なく刺激を与えられたら理想かなと思いました。

そういった意味でもお家での習い事や療育はおすすめです!!第三者からの視点や働きかけが思いもよらない効果を生むこともあると思います!!




家族に協力要請をする

ABAを勉強して療育に通わせて、娘の応答の指差しを確認したあたりから、「なんとなくだけど私の娘に対する接し方の方向性間違ってなさそう」と思えるようになりました。

なので家族(主人)と「この感じで足並みを揃えたい!」と思いたち、娘の様子や変化、自分がやってきた取り組みをLINEに書き起こし共有しました。

そして、

「色々書いたけど、あなたにもやってほしいことがあります。それは、

①娘と接するときは99%褒めて、1%叱るくらいの比率で褒めまくって欲しい
②娘が興味を持ったこと(持ちそうなこと)があれば絶対に共有して欲しい

の2点です!!よろしくお願いします!!」

と2点だけ強調して伝えました。今の娘への接し方はそれで十分だなと思ったからです。

ネガティブなことをゴチャゴチャ言うよりも簡潔に協力要請したおかげか、育児の方針はすんなりと足並みを揃えることができました。

その後娘の成長と共に、育児の方針を変えたいときも主人には今までの取り組みや結果を書き起こしてから伝えています。

LINEのノートにまとめたものを共有しておくと発達具合の推移が分かりやすく育児の齟齬が出にくいのでおすすめです!




まとめ

と言うわけで、私が娘の発語(〜一語文)するまでに行った取り組みは、

  1. 小児科で発達検査を行い娘の発達の遅れ具合を確認した
  2. 期間限定で娘への発語の取り組み以外は全て適当にすると家族に宣言した
  3. ABA(応用行動分析学)を勉強し始めた
  4. 娘の興味が広がるように新しいことを始めさせた(療育/こどもちゃれんじ)
  5. 娘の指差しの段階から言語の理解度を確認した
  6. 興味の幅が広がってきた時に療育と連携し、そこから更に興味が広がるように働きかけた
  7. 家族(主人)と娘の成長具合の共有&育児中に絶対ここだけは足並み揃えてほしい点を伝えた

の7点になります。

全部が全部当時の私や娘にとって必要な出来事だったように思いますが、中でも特に、

1、小児科で発達検査を行い娘の発達の遅れ具合を確認した

5、娘の指差しの段階から言語の理解度を確認した

の気づきの項目については、多分これが無かったら動いてすらいないので娘に対する違和感や不安をそのままにせず現実を直視して本当に良かったと思っています。

いつか喋るでしょー、と、いつまでも娘の発達具合を確認せずそのまま過ごしていたら今頃はこんなに喋ったり色々なことに興味を持ったりすることもできてなかったかもしれません。

また、「どうせまだ出来ないだろうな」と娘の可能性を私がセーブさせていたことも反省しました。

娘の応答の指差しが出た時はもちろんすごく嬉しかったのですが、今までの生活の中でできていないことばかり目が行っていたせいで発語を引き出してあげられなかった事に申し訳なくもなりました。

ただこの時期の出来事のおかげで、娘に対するモヤモヤしたフィルターを払拭し、「娘のできること」ではなく「やりたいこと」を何でも躊躇わずにやらせてあげる事にしよう!と意識改革をする事が出来ました。

無発語時代が長いとすごくすごく不安になりますよね。
言葉を発しないときは、もしかしたら言葉の便利さに気づいておらず「必要ない」と思っているのかもしれません。

そんなときは闇雲に言葉のシャワーを浴びせるよりも、指差しを一緒に行って共同注視を高めたり、今までやった事がない遊びをしたり、療育の職員さんに相談して興味の幅を広げるように連携して見たりする方がもしかしたら近道になるかもしれません。

お子さんやママさんパパさんが無理のないように取り組んでいけたら・・・と思いますが、発語に関しては私はちょっと無理して私生活の大半が適当になったとしても取り組む価値があったかなぁと思っています!!





【2歳半無発語】から【4歳で会話】ができるようになるまで(無発語〜一語文まで)後編を読んでいただきありがとうございます。

次回は「一語文から多語文まで」について取り組んだ事について書いていこうと思いますので、よければそちらを見ていただけると嬉しいです。


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