2歳半無発語】から【4歳で会話】ができるようになるまで(多語分〜会話)前編

こんな時どうした?
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ノイママ

発達グレー疑いの一児の母で、私自身HSPです。
児童発達支援士/発達障害コミュニケーションサポーターの資格所持。

「発達に悩むママパパさんを応援したい」想いのもと、発達や育児についてのいろいろを発信して行きたいと思っております。

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※この記事は娘の発達歴(1歳〜2歳)(2歳〜3歳)(3歳〜4歳)の記事を先に見ていただくと言葉と併せてどのような発達状態だったか分かりやすいと思います。

前回(一語文から多語文)に引き続き今回は多語文から会話ができるまで(3歳0ヶ月〜4歳0ヶ月頃)に行ったことの(前編)を記事にしていますので、気になる方は是非下記の項目もご覧いただけたらと思います。

ちなみに多語文〜会話までの時期の娘の語彙力はこんな感じでした↓

  • 3歳0ヶ月頃
    「娘ちゃんご飯食べる」
    単語の発語は600語程度。
  • 3歳1ヶ月頃
    「娘ちゃんお腹すいた」「ちょっと目がいたい」「なんか耳が痛い」
    挨拶(おはよう、こんにちわ、おかえり、おやすみ、バイバイ)がいえるようになった。
  • 3歳3ヶ月頃
    →会話らしきものができるようになる
    娘「今日ブロッコリー無いの?ブロッコリーください!
    私「ごめんねブロッコリー無いからさやえんどうでもいい?」
    娘「いいよ、わかったー
  • 3歳6ヶ月頃
    →日常的に3〜5の多語分でおしゃべりをするようになった。
    質問されたことに対し会話が成り立ちやすくなってきた。
    私「幼稚園楽しかった?」
    娘「楽しかったー
    私「何が楽しかったの?」
    娘「○○ちゃんとバスに乗れて楽しかったよ
  • 3歳6ヶ月から4歳0ヶ月頃
    →話す内容はほぼ多語文の会話になる。

※発達には個人差がありますので、下記のことをすれば必ず誰でも発語するといったものではありませんのでご参考程度にお願いいたします。



この記事の目次

 事物名称以外の語彙をロープレで増やした

  • あいさつ
  • 自分の気持ちを表す言葉
  • どっちがすき?が答えられるようになる質問方法

 写真を見て過去の話を一緒にした



事物名称以外の語彙を増やした

事物名称に関してはこの頃はかなりインプットが進んでおり、「これは何?」「あれは何?」の問いかけに対して大体の名称は正確に答えられるようになっていました。

こちらの記事にも書いてありますが、要求語や事物名称がわかるようになり今まさに言葉の便利さを実感している時期。

言語模倣も即座にできるようになっていたためそろそろ次のステップへと踏み出します。



あいさつ

他人との関わりの中で欠かせないコミュニケーション「あいさつ」。

話しかけやすく、言われて嫌な気分になる人はいないと思うのでまずこちらを教えることにしました。

まずは下記の挨拶を優先的に教えていきました。

「おはよう」「こんにちわ」「こんばんわ」「さようなら」「ただいま」「おかえり」「ありがとう」
「どういたしまして」「おやすみなさい」「かして」「いいよ」「ごめんなさい」「だいじょうぶだよ」

「いってらっしゃい」「いってきます」




◉挨拶の教え方

  1. まずはあいさつについて描かれている絵本を一緒に読む。
  2. 「朝は『おはよう』って言ってるね。昼は『こんにちわ』。暗くなって夜になったら『こんばんわ』だね。」と絵本を見て話しかけながら場面を想像させる。
  3. 「じゃあ今の時間は昼だから・・・どれを言えばいいと思う?」などと質問する。
  4. 「昼」などと正解を答えられたらめちゃくちゃ褒める。
    間違った答えの場合は「惜しいね〜それはもう少し暗くなったら正解になるね!でもちゃんと答えられてすごいよ!」などと否定せずに教える。
  5. 挨拶の言葉自体がインプットできてきたら絵本を読んでいない時でも「今の時間のあいさつはなんだっけ?」と問いかけ、答えられないようであれば「おは・・・」などとヒントを出しながら答えさせる。
  6. 挨拶が自然にできるようになってからもしばらくはその都度褒める。




◉ただいま、おかえり、いってらっしゃい、いってきます について

上記の挨拶は自分と相手がそれぞれ違うことを言うので初めは娘も理解できずオウム返しになったり反対の挨拶をしてしまう事がありました。

少し難易度が高い挨拶ややりとりを教える場合は、人形やマスコットを使いながらロープレで教えるのがおすすめです!(もし対相手がいてその人と二人でロープレをして子供に見せられる状況なら尚いいと思います)

◉教え方

  1. 人形を2体用意する(人間じゃなくても可)。
    ※以下1〜4までは親や保育者が行い、子供には側で見ていてもらいます。
  2. 子供に「うさぎさんが娘ちゃんで、くまさんがパパね。」と人形の役割を教える。
  3. 「くまさんがお出かけに行きます。うさぎちゃんは玄関のドアの前でお見送りをします」と伝える。

「パパいってらっしゃ〜い!」(人形の手をふりふりさせて見送りさせる)

「娘ちゃんいってきま〜す」(ドアの外に出てドアを閉める動作を人形にさせる)

4.「娘ちゃんは、いってらっしゃいをして、お家に残る人だよ。パパは、行ってきますをしてお家から出る人だよ」と『残る人』が「行ってらっしゃい」、『出る人』が行ってきます」だよと教える。

5.「それじゃあ次は娘ちゃんがうさぎの人形を持って、ママがくまちゃんの人形を持つから一緒にやってみよう!」と先ほどのロープレと同じ内容を行う。その次は子供にくまさんを持たせて親はうさぎ役で再度ロープレをする。

6.「そしたらお家の玄関で今のお見送りごっこやってみようか!」と誘い今度は子供と保育者で実際に玄関で「行ってらっしゃい」「行ってきます」ごっこをする。

※ただいま、おかえりについても流れは同じです。

あいさつや簡単なやりとりに関してはいきなり「今はこんにちわだよ!」「行ってきますだよ!」と教えるよりも絵本や人形でロープレを行ってから実際にやってみると自分と相手の役割が分かりやすかったのか、割とすんなり使い分けることができていました。

それでもたまにおうむ返しになってしまうこともあったので「今は ただいま だったね〜」と否定せずに訂正を続けていくことで大分正確に使い分けができるようになっていきました。






↑挨拶を教える時に使っていた絵本です。挨拶だけではなく「せいかつ」「のりもの」「からだ」「どうぐ」「いきもの」「しぜん・てんき」「うた」「かず」「もじ」など、年齢によって興味の持ちやすいものを中心に描いていて、言葉やルールのインプットにかなり役立ちました!!



自分の気持ちを表す言葉

言葉が出る前は「この子は一体今何を考えているんだろう?今思っている気持ちを話してくれたらいいのにな・・・」とずっと思っていました。

3歳になると言葉のインプットが進んだため、自分の気持ち(快・不快など)をもっと言葉にして伝える術を持ってくれれば集団生活の中でもヘルプを出したりトラブルを回避しやすくなるかな?と思い、まずは下記の自分の気持ちを表す言葉を教えることにしました。

「遊びたい」「見たい」「欲しい」「飲みたい」「食べたい」
「嫌だ」「いらない」「おしまい」「痛い」「痒い」「眠い」「悲しい」「嫌い」
「嬉しい」「楽しい」「好き」「きれい」「素敵」「かわいい」



◉要求語の教え方

第一段階:自分の気持ちを伝える言葉に関しては、はじめは娘の様子を観察しながら「今はこんなふうに思ってそうだな〜」と思った言葉を私がアフレコするような感じで伝えていきました。

「おちゃー(お茶を指差す)」

「おちゃ のみたい」「おちゃ のみたい」(お茶を指差して飲む仕草をする)

※「え?お茶飲みたいの?そう言う時は「お茶飲みたい」だよ」など色々な言葉を伝えるとそのまま覚えてしまう時もあるので、娘になったつもりで「おちゃ のみたい」「おかし たべたい」など言いたそうな言葉だけを伝えるようにしていました。



第二段階:「おちゃ のみたい」という二語分のインプットができてそうだなと思ったら、少しやり方を変えました。

「おちゃー」

「うん、おちゃを?」(飲む仕草をする)

「・・・・・」

「のみ・・・・」

「のみたい」

「おちゃをのみたい!!よく言えたね!!教えてくれてありがとう!!お茶どうぞ!!」(激褒めする)

「すごいなー。娘ちゃんがちゃんと「おちゃのみたい」って言えたからお茶が飲めたんだよ!そうやってお話しして教えてくれるとママ嬉しいなー!!」

※「「おちゃをのみたい」と言えたから思い通りになったねー!!」と強調して毎回伝えます。



他の要求語に関しても上記のような感じで、

→正しい言葉をインプットさせる

→ヒントだけ伝えて子供に言わせる

→言えたら褒める&要求をすぐに叶える

→言葉で教えてくれたから伝わったよ!としっかり強調するの順番で教えていました。




「嫌だ」「いらない」「おしまい」「痛い」「痒い」「眠い」「悲しい」「嫌い」「嬉しい」「楽しい」「好き」「きれい」「素敵」「かわいい」などの教え方

上記の言葉の使い方は下記の絵本↓を使ったり、実際にこんな時はこんな表現があるよと教えました。




この「きもちのことばじてん」は、

うれしい・楽しい・ハッピータウン」

かなしい・おこる・ワーンワーンタウン」

すき・きらい・スキーヤータウン」

こわい・おどろく・ひゅーどろータウン」

などページ丸ごと同じ感情を持った人たちだけの町が描かれています。

一例ですが、画像のようにたくさんの言葉で「嬉しい」と言う言葉を表現して書かれています。

私が買ったばかりの時はこんなにたくさんの言葉を教える必要はないかもと思ったのですが、

「『嬉しい』と言う気持ちにも色々な言葉があるね」「この子はなんで嬉しいんだろうね?」「お花をもらったから嬉しいのかな」「この赤いお花きれいだね」・・などと「ニコニコしている理由はなんだろう?」と、

一緒に考えて、そこから周りの物に派生してお話を広げていく作業にとても役立ちました。

また、大人でも知らない言葉も多く自分でも読みながら勉強になるなぁと思っていました。

小学生になっても中学生になっても使い続けられる絵本だと思うので、「気持ちの表現」を教えたい方にはとってもおすすめします〜!!



この絵本で「こんな時はこんな気持ちだね」「お花を見たらきれいだなって思うよ」「泣いている子がいたらどうしたの?って聞いたらいいかもね」など、きもちの表現の仕方や「こんな時はこうしたら相手に伝わるんじゃない?」と言うことをインプットしつつ、

実際に何か出来事にでくわした時(お花を見つけたりシャボン玉を見つけた時など)には「きれいだね」「かわいいね」と伝えるなどして自分の気持ちはこんな風に伝えればいいんだ!と納得できるような形で教えていきました。

またうちの娘の場合ですが、外出先で急に「お花きれいだね」などと伝えても周りに色々なものがありすぎて注目できないと言うことがありました。



でも家で絵本や人形のロープレなどを経た後で実際に同じ状況になった時には「こう言う時はなんて言うんだっけ?」のように「えっと・・んーと・・・」と何か言いたくて考えているような言葉が良く出るようになりました。

もちろん個人差があるとは思うのですが、絵本やお風呂ポスターなどで予習しておくと言葉のやりとりもより積極的になるかもしれません。

絵本によるやりとりの予習おすすめです!!




どっちがすき?について

「どっちが好き?」と言う問いかけに対して娘は3歳2ヶ月頃までずっとエコラリアで「どっちが好き?」と答えていました。


エコラリアとは、自閉症スペクトラム(ASD)などの発達障害がある子どもたちが示す特有の行動で、他人が言った言葉をそのまま、あるいは少し時間を置いてから繰り返すことを言います。
言葉の意味を理解しているかどうかにかかわらず、発されることが多いです。

引用:コペルプラス

「どっちが好き?」の教え方については手に好きなものを隠してどっちが好き?と聞いてみたり実際に絵本で写真や絵を見せながら「りんごとぶどうはどっちが好き?」などと聞いて反応を見ていたのですが、黙ってしまうかエコラリアで返してくるかのどちらかでした。

「う〜ん・・・教え方がわからない・・・」

そう悩んでいたところ、「あ!」とふと閃いて娘にこんな質問をしてみました。

「娘ちゃん、ヒョウモントカゲモドキ(娘知らない)と、ウサギ(娘好き)どっちが好き?」

うんちグミはどっちが好き?」

ビリジアングリーン(娘知らない)ピンク(娘好き)はどっちが好き?」

上記のように、比較対象を「娘の知らないもの(明確に嫌いとわかるもの)」「娘の大好きなもの」の両極端なものを挙げて聞いてみたところ、

「ウサギ」

「グミ」

「ピンク」

と、エコラリアではなくそれぞれきちんと答えてくれたのです!

今までずっと「うどんとおにぎりどっち好き?」「犬と猫どっち好き?」「赤とピンクどっち好き?

のように、割と似たり寄ったりの対象同士を引き合いに出して聞いていたのですが、もしかしたらその似ている2択から「選ぶ」と言う行為が娘には難しく、「どっち?」と聞かれた時に困ってしまって黙ったりエコラリアしたのかな?と思いました。

明らかに比較対象に差がある場合の「どっち?」は本当に好きかはわかりませんが、知ってるか知らないかでとりあえず選びやすい方を選択した!と言う行為ができたことに驚き、「ヒョエっ!!選べるようになったの!?」と声が出ました笑

なのでもしお子様が「どっち?」を選べない、声に出せないなどの場合は、もしかしたら比較対象をかなり両極端な物にして聞いてみると答えてくれるかもしれません!!

このどっち?の聞き方は、色々と聞き方を試行錯誤した上で、書籍やネットでも目にしなかったやり方なので、もし「どっち?」の問いかけに悩んでいる方がいたら一度試してみて頂けたら嬉しいなと思います!

ちなみにこのような聞き方でどっちが好き?を繰り返しているうちに、似たり寄ったりのものを比べても「本当に自分が選びたいもの」をちゃんと教えてくれるようになりました!!





写真を見て過去の話を一緒にした

娘は療育先の児童発達支援所から「視覚優位かも」と言われていました。

視覚優位とは、耳から入ってくる情報よりも、目から入ってくる情報の方が処理をしやすい脳の特性のことです。反対に、目から入ってくる情報よりも耳から入ってくる情報の方が処理をしやすい特性は「聴覚優位」と呼ばれます。

引用:LITALICOジュニア

なので耳からよりも目からの情報の方が入りやすい傾向があります。

そのため3歳頃は娘に何か伝えたい時には絵を描いたり、写真を見せたり人形でロープレをしたりしながら視覚からのアプローチを基本にして教えていました。

ちょうど同時期に主人が自分のスマホを見ながら「この時期は娘ちゃん髪の毛短かったね〜」「このファミレスのプリン美味しかったわ〜」などと娘によく話しかけていることもあり、娘はすぐにスマホに興味を持ちました。

昔の写真を見ながらお話をするのって、娘がどれくらい物事を覚えているかを知れたり親子間のコミュニケーションとして良さそう!と思い、夜寝る前の5分など短い時間を作り、昔の写真をスマホで見せながら話しかけるのを続けてみました。

やり方はスマホの写真を見せながら

「2歳の時に初めてこの公園に行ったね」「公園に咲いてたお花はパンジーって言うんだって」「初めての公園でも楽しそうに遊んでたね、ママも楽しかったよ」

などと写真の中の肯定的な出来事だけを伝えながら話しかけるのを続けるだけです。

もちろん昔のことなどは覚えてなさそうでしたし、途中で飽きてしまうこともあったのですが、最近の出来事や自分が強く興味を持っていたことなどに関しては写真を食い入るようにみたりニコニコしたり「これお花!」「食べたね〜!」などと発語も積極的に出すようになっていました。

私としては寝る前の絵本読み聞かせのようなイメージで行っていた取り組みですが、親子でする思い出話は発語に良いとされる研究結果が実際にあったようです。

デンマーク人3~5歳の子ども155人が親と思い出話をする・文字のない絵本を一緒に見る・レゴブロックで何かを作るのいずれかの方法でコミニュケーションをとる様子を観察しました。

引用:三浦メディカルクリニック

親子の会話を分析した結果、過去の出来事について思い出話をすることは、絵本を一緒に見るときと同じくらいに親が質の高い言葉(子供に良い影響を与える言葉)を使って子供に話しかけていることが判ったのです。そして、思い出話をしているときは、おもちゃで一緒に遊んでいるときよりも親が使う文法が複雑であるとともに、子ども自らの発語が多いことがわかったのです。

引用:三浦メディカルクリニック

子供によっては絵本よりも自分の昔の写真などは食いつきが良い場合もあるかも知れません。

親子で行う思い出話は親子のコミュニケーションが取れるだけではなく、「前」「昔」と「今」の違いなど時系列に関する言葉を教えるのにも役立ちました!




【2歳半無発語】から【4歳で会話】ができるようになるまで(多語分〜会話)前編を読んでいただきありがとうございました。

よければ他の記事も読んでいただけると嬉しいです。




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